自作キーボードのLily58を作った
7 日に届いて 17 日に完成した。平日の夜と週末にやって 10 時間はかからなかったと思う。このビルドログ書くほうが時間かかってるかも。
買ったもの
- Lily58 本体のセット
- Kailh ロープロファイルスイッチ × 60 個
- 赤軸メインで茶軸を少し混ぜた
- Kailh ロープロ無刻印キーキャップ × 60 個
- 白黒組み合わせで購入
- Mantis(マンティス)【2in1 3本セット 1m】マグネット式充電ケーブル
- Pro Micro はもげるのでその対策にマグネット式が良いと見かけたので買ってみた
- audio-technica 車載用 オーディオケーブル 0.4m
- とりあえず長さとカールしてるのが良かったので買ってみた
今回は持ち運びを前提にしていたので、薄くするために Kailh のロープロキーと組み合わせて作った。キーキャップはキーカスタマイズするので、刻印がないものにした。
金額に特に不満はないけど、だいだい全部で 17,000 円くらい。
組み立て
公式のビルドガイドはこちら。(久しぶりに見たらアップデートされてかなり丁寧に書いてありました)
Lily58/buildguide_jp.md at master · kata0510/Lily58
特に注意が必要だったところを書いておく。
ダイオードの取り付け
足の折り曲げはビルドガイドにあった通り、アクリル板を 3 枚重ねて曲げると楽だった。アクリル板はとりあえず洗濯バサミで挟んで固定していた。
折り曲げるとこんな感じになる。
底面側から足を通す。これは右手側になる。
マステで止めてひっくり返してはんだ付けする。マステで止めた段階で、先に足を短くしてしまっても良いかもしれない。足をカットしながらでないと、邪魔になるのではんだ付けしにくかった。
Pro Micro の取り付け
Pro Micro は付属のコンスルーを差し込んではんだ付けをする。はんだ付けした後に PCB にコンスルーを差し込む。片方しかはんだ付けしない、という点に注意する。
差し込んだ後に Pro Micro が簡単に抜けてしまったり、PCB を揺らすとカタカタしたりするといった感じで、とにかく緩そうだったら注意が必要。
自分はしっかり取り付けたつもりだったが接触不良になっていた(後述)。
※最近更新されたビルドガイドではどちらもはんだ付けするように記載されているので、そうしたら問題なくなるはず。
両方取り付けたらこんな感じになる。
アクリル板と PCB の重ね合わせ
ダイオードを取り付けた後の、はんだの仕上がり部分(山になったところ)が邪魔してしまい、アクリル板と PCB がピッタリ重ならない。
そのためロープロファイルの軸だと、スイッチの足が PCB に届かない状態になってしまう。
なので、はんだの山をニッパで切り取って薄くする作業を行った。次の写真の真ん中のとこが削ったところ。
なかなか地味に時間がかかるし面倒な作業だったが、これでようやくピッタリ気味で重ねることができた。
※ここもビルドガイドでは表面実装のダイオードが推奨されている
キースイッチの取り付け
この状態でもキースイッチの足はちょっとしか出てこないので、はんだ付けが難しかった。
コテ先をスルーホールに突っ込んで温め、ハンダを流し込む気持ちでやったら上手くいった感じがする。
念のためキースイッチをはんだ付けした後に、テスターで各キーがきちんと導通するか確認を行った。(組み立てが終わってからの動作確認で上手くいかなかったので、この段階で確認しといて良かった)
ファームウェアの書き込み
ソフトウェア的には特に困ることはなかった。
Pro Micro のリセット
片方で、リセットのスイッチがうまく動作しなかったため、Pro Micro のRST
とGND
を直接ショートさせてリセットした。
Pro Micro & Fio V3 Hookup Guide - learn.sparkfun.com
この辺を参考にした。
動作確認
組み立ても終わりファームウェアの書き込みも終わったが、どうにもうまく動かない。左側はb
しか反応しないし、右側はそもそも電源が通ってなさそうだった。
キースイッチの確認
たまにキースイッチが壊れていて反応しないケースがあるらしい。キースイッチをはんだ付けしたタイミングで各スイッチの導通チェックを行っていたので、スイッチの破損や不良がないことは確認済みだった。
ファームウェアの書き込みの確認
PC 側での作業の結果(ターミナルでの出力)からファームウェアの書き込みは正しくできていそうだったので、コンスルーの足を直接ショートさせてみた。ピンの組み合わせに応じたキーが入力されたので、ファームウェアの書き込みには失敗していないと確認が取れた。
PCB と Pro Micro の接続
Discord で教えてもらったので、Pro Micro を PCB に差し込み直したり、コンスルーと PCB 接触部分をいじってみたりすると入力できるキーが増えたので、ここに問題があったらしい。コンスルーがやはりどうしても抜けそうな感じがするので、しっかりと折り曲げたりとかしてきちんと接続ができるようにした。結果、問題なくキーが入力できるようになった。また右側についても問題なく動作するようになった。
参照したブログを失念してしまったが、行や列が全然反応しない場合にはこのあたりの接続不良が原因の場合があるらしい。まさに自分もそうだった。
※最新のビルドガイド通りにちゃんとはんだ付けしておけば問題ないはず
使ってみて
完成したのはこんな感じ。キーキャップの種類と数を間違ってしまって、黒が足りなかった。ホントはホームポジションのとこだけ白くするつもりだったけど。
MacBook との接続の時に、アダプタの周りがごちゃっとしてしまう。MacBook 本体からコネクタの部分までのケーブルが長めのアダプタに変えれば問題ないかな。
これは Lily58 の問題ではないけど、どうもキーキャップが滑る感じがして、ホームポジションのおさまりが悪く誤タイプが最初は多かった。なので、ホットグルーで認識のためのポチを作った。そのおかげか、慣れたからか、ここ数日はホームポジションを間違うこともなくなった。
おわりに
ハンダ付けからファームウェアの書き込みまでは特に問題なく進んだが、PC に接続してからの動作確認が大変だったので、今後作る機会があれば以下のようにしてみようかと思った。
- ProMicro とコンスルーを接続する
- この段階でファームウェアの書き込みを行い、各ピンをショートさせキー入力が行えることを確認する
- ここでうまく行ってなければ ProMicro の不良やファームウェアの書き込みに失敗していると判断できる
- PCB にダイオードやキースイッチをはんだ付けしていき、各キースイッチでの導通チェックを行う
- ここで導通チェックすることで、キースイッチに問題がないことが確実になる
- PCB と ProMicro を接続する
- この後の動作確認においては、キースイッチと ProMicro の動作確認は取れているので、上手くいかない場合には PCB と ProMicro の接触不良が怪しい
とにかく、全部組み合わせてしまってからの動作確認は大変なので、こまめにチェックしていくのが大事だな。
この文章は 9 割くらい iPhone で書いていて、仕上げを作成した Lily58 で書いた。とても使い心地が良くて満足している。